『ラヂオの時間』は、1993年に上演された、劇団東京サンシャインボーイズの演劇をベースに1997年には三谷幸喜の初監督作品として映画化された作品。ラジオ・ドラマの生放送中のスタジオを舞台に繰り広げられる騒動を描いた密室シチュエーション・コメディ。キャスト:唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦、戸田恵子、井上順、細川俊之 ほか
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ラヂオの時間 (1997) : Welcome Back, Mr.McDonaldのあらすじ
“ラジオ弁天”のスタジオでは、まもなく始まるラジオ・ドラマ『運命の女』の生放送のためのリハーサルが行われている。初めて書いたシナリオが採用され、この作品によって脚本家としてデビューすることになった主婦の鈴木みやこ(鈴木京香)は、緊張しながらリハを見守っていた。全てのチェックが済み、あとはいよいよ本番を待つばかりとなったが、直前になって主演女優の千本のっこ(戸田恵子)が自分の役名が気に入らないと言い始める。プロデューサーの牛島(西村雅彦)はその場を丸く納めようとして、要求通り役名を“メアリー・ジェーン”に変更した。しかし、そんなのっこに腹を立てた相手役の浜村(細川俊之)は、自分の役名も外国人にしてほしいと言い出し、熱海を舞台にしたメロドラマのはずだった台本は、ニューヨークに設定を変更させられる。みやこはいろいろ辻褄の合わなくなってきた台本を短時間で書き直すことになるが、素人の彼女にそんな器用なことはできず、牛島はまたも急場しのぎに放送作家のバッキー(モロ師岡)にホン直しを依頼した。しかし、ドラマの内容を把握していない彼によって、物語はさらにおかしな方向へ向かい、本番開始直前にミキサー・辰巳(田口浩正)の一言で舞台はまたまたシカゴに変更される。さらに浜村が自分の役柄をパイロットだと勝手に言ってしまったことで、物語は辻褄合わせのためにますますおかしくなっていった。ディレクターの工藤(唐沢寿明)を筆頭に、スタッフたちは次々にやってくる障害を、行き当たりばったりのその場しのぎで乗り越えていくが、あまりに勝手な台本の変更の連続にみやこは怒りを爆発させ、CM中にブースに立てこもると「ホンの通りにやって下さい!」と叫ぶ。しかし、そんな抗議も虚しく、ドラマはのっこのわがままのせいで、みやこの思いとは全く正反対のエンディングを迎えようとしていた。みやこの純粋さに感じるところのあった工藤は、結末だけでも彼女の思い通りにさせてやろうと牛島に抗議するが、ドラマを無事に終わらせることで精一杯の牛島は、工藤をスタジオから追いだして辰巳に演出を任せる。工藤はスタジオの外から極秘の回線でブース内と連絡を取り、みやこやのっこ以外の出演者、ADの大田黒(梶原善)らの協力で、ドラマを当初のエンディングに導いた。こうして生放送はともかく終了し、みやこを含めた全てのスタッフと俳優たちの顔には、仕事の充足感が満ち溢れるのだった。
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